美大時代に日本民家園をテーマに「古民家を訪ねて」というタイトルのブックカバーをデザインせよ
という課題が出されたことがあります。
カラーはフィルム代も現像代も高価で学生は中々手が出せません。
私は白黒の長尺フィルムから一つ一つパトローネ装填し撮影後、現像引き伸ばしまで自宅で行っていました。
モノクロ画像でも色を付ける方法もありました。
バライタ紙の銀塩を薬品で落としたところに黄や青の色を乗せる”セピア調色”や”シアン調色”という方法です。
デジカメ時代の今は誰でも簡単にカラー写真を撮ることができるようになりましたね。
この古民家の前を通った時、ハッとしました。
この土壁にセピア調色した写真…
あの時の課題に使ったのが正にこの古民家の土壁だったんです。
あの時もこの土壁を撮ってる人は他に誰もいませんでした。
ここ日本民家園に来たのは学生の時と今回で2回目ですが30数年経っても
興味のセンスは全く進歩していないことを自覚した瞬間でした。